沈まぬ太陽

 モデルとされている航空会社は公的資金注入の為に企業年金四割カット交渉中とあらば、毎日が日曜日の間に観るしかあるまい。原作でも記述されたり、画面上でも出てきたりするのがこの物語はフィクションである。
 何年かに一度しか読みたくない山崎豊子原作。重いのはわかっている。しかも、ハードカバー五冊の長編である。最大の山場、御巣鷹山編を中心にアフリカ編、会長室編がザクザク進行する。さすがに3時間途中10分休憩アリでも収まりきれなかったエピソードがあるのは仕方が無い。そこは渡辺謙さんの深みのあるたたずまいでクリアしていると思う。
それにしてもこの出演俳優の多さ。変に友情出演とか特別出演とかクレジットされずにズラリという感じである。それも実力派系ばかり。原作に負けない内容には最近メリケンの「天使と悪魔」でぐったり来ていたところにやっとこさ光明といえる。
懸案事項を挙げるとすれば、この日本のサラリーマンの悲哀、辞めれば良いのになぜい続けるのかとか理解できるのだろうか、外国人に。