ペイ・フォワード

 夜の移動があまり苦にならなくなってきた昨今、立川シネマシティーにて21時からの回を鑑賞。土曜日だと云うことをすっかり忘れてしまっており、わざわざ時間を合わせてこの回にしたのだが、いつもと同じ1,800円也。ココまで来ておいて帰るわけにも行かないのでそのまま観た雛祭り。

 本作を観るに当たり、前情報はプロモーション来日していた前作“シックス・センス”の好演によりアカデミー賞にノミネートされていた少年ハーレイ・ジョエル・オスメント君。無垢な少年のナミダというのは何ものも寄せ付けない強さがあるので、この僕だけがフィーチャーされていたらとんでもない駄作に分類しようと思っていたのだが、共演しているアカデミー賞受賞俳優ケビン・スペイシーと結構歳いっているはずとは云えこの少年の母親を演じているヘレン・ハントと見事に三竦みとなっている。

 監督はER〜緊急救命室〜で名を上げ、ディープ・インパクトで一流の仲間入りをしたミミ・レダー監督。実生活でも子供さんがいると思われるので少年だけを持ち上げる作品にならなかったのかもしれない。このディープ・インパクトは当頁でも取り上げたが、その時も言及した通りドラマに重点を置いて作られている。また書いてしまうがこの点で賢明である。

 このタイトルにもなっている PAY IT FORWARD は“先贈り”と云う意味。つまりねずみ講を頭に浮かべてもらえるとわかりやすい。しかし形は似ているにしても、その内容が真逆になっており、最初に施しを一人が三人に対して行い、その受けた者も三人にそうすると云った具合にねずみ算式に増えていくといった具合。コレを先の少年が考え出すのだが、この先は観てのお楽しみである。

監督で観るかどうかを決めるという判断基準もあるが、このミミ・レダー監督はこの先見逃せない一人となった。

ペイ・フォワード [DVD]

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